私はまだ20代で、大〜きな口を叩いていた頃(今も?・笑)
その方をここではS氏としましょう。
石原慎太郎氏にちょっと似たS氏、その頃50代
一流商社出身で、こだわりのアパレル会社の創業者でした。
どこの馬の骨かわからないような私に仕事を任せてくださり、
その頃の仕事の出来は別として(^^;
毎回、夜を徹して一生懸命に取り組んだことを覚えています。
・・・それからウン年・・・
S氏は株式上場が夢で、60代後半でその大望を見事果たされました。
そして会長職に就任され、ここ5〜6年お会いしてませんでした。
もうすっかり、新社長のカラーに変わっただろうな
思っていた頃です。
S氏から届いた年賀状には「入院」という文字がありました。
気になりながらも、退院の日も書いてあったので、
安心しながら月日は過ぎていきました。
そして先日、突然仕事のことでS氏から会社にお電話が!
久しぶりに見るお顔。全然変わりなくお元気。・・一見。
上品にゆっくりと話される様子も
時折子供のように先のことを語られる様子も
昔と何も変わりはないように見えます。
近況報告と、新しいお仕事の話。昔のようにたわいなく進んでいきます。
その中に何気に出てきた、息子さんが亡くなられたという話。
よく話を聞いてなければ、そのまま流れるような言い方でした。
息子さんは私と変わらぬ年齢で、大きな会社に就職されていました。
S氏に似た頭の良い青年で、一度、お仕事をいただいたこともあります。
競争率の高いお仕事でした。
私の仕事を通すために社内でかなり頑張ってくれたのでしょう。
寝耳に水で、一瞬状況が把握できませんでした。
素っ頓狂な声をあげ、驚きが隠せない私に、
その方は淡々と、他の話に移られます。
私はグゥッと胸が詰まり、何も言えぬまま心に痛みが走りました。
何かあれば大騒ぎしたり泣き喚いたり、それができる人はまだいい。
大きな声を出し、涙をいっぱい流し、惜しみなく周囲に話すことで
“大騒ぎ派”は他人があたふた心配しなくても、自分で浄化しているのだから
本当に悲しいことに直面したことがありますか?
意外とそこには感情がなく、涙って出てこないものです。
自分ひとりの力では、浄化できないほどの大きな悲しみだから
感じないように封印してしまうのでしょう。
表情も態度も、石原慎太郎似のままでしたが、
「実は、あまり目が見えないんだよ」
S氏は、私たちにストレスの恐さと食生活を整えることを明るく・・
しみじみと、子供に教えるように話してくださいました。
お世話になったS氏、現在、70代前半。
夢を手に入れたあと、急に後継者を失い、
そして、表面ではわからないけれど
薬をたくさん飲むからだになられてしまった。
落ち着いた表情から読み取ることはできないけれど、
いま、どれだけ一分一秒の時間を大切に思ってらっしゃるでしょう。
少し前にそのことを知っていたら・・
もっと早くS氏の力になれたかもしれないのに。
あの頃と比べたら、私も少しだけ力をつけました。
あの頃と比べたら、不足を補えるブレーンもたくさんできました。
帰るときに言われた言葉。
「楽しかったよ」
私は胸が詰まって声が出ませんでした。
理念を継げる誠実な後継者と新しい体制
猛々しいほどのスタッフの確保等々、課題は山積みですが
S氏に、私たちはどこまで恩返しができるだろう。
↓ワンランク上の飲食業界と転職を手にしたい人はポチポチしてね♪















